住宅の建材を製造する過程で利用される物質が、建築済の住宅の中で拡散されることで、めまい、頭痛、のどの痛みなどを引き起こすのがシックハウス症候群です。シックハウス症候群を引き起こす物質として厚生労働省により濃度測定値が取り決められているのが以下の物質です。
- ホルムアルデヒド
- アセトアルデヒド
- トルエン
- キシレン
- エチルベンゼン
- スチレン
- パラジクロロベンゼン
- クロルピリホス
- テトラデカン
- フタル酸ジブチル
- フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)
- ダイアジノン
- フェノブカルブ
2003年の建築基準法の改正により、VOCの使用量が事実上制限されるなど、シックハウス症候群対策が広く行われているため、1990年代と比べるとシックハウス症候群の深刻さは減ったと言えます。しかし、VOCなどの物質に過敏に反応して症状を出してしまう人は一定数います。特に住居を新築・新築マンションに入居した方々などに、シックハウス症候群の症状が出やすい傾向があります。
VOCなどの物質は建材に染み込んでいる場合が多いため、換気を行うことでシックハウス症候群を根本的に解決することはできません。しかし、窓開け換気をすることでVOCなどの物質の屋内濃度を下げることが出来ます。
前提として、新築の住宅やマンションであれば、24時間換気が備わっているので、24時間換気を常に行いましょう。そのうえで、特に刺激を感じる時間帯や季節などがある場合には、窓開け換気(1時間あたり5-10分程度)を行うのもよいでしょう。
24時間換気を行っているが、窓開けが難しい状況(夏や冬、また外からの花粉や粉塵の流入)だと、シックハウス症候群の症状は強くなることがあります。こうした場合の対策としては、換気扇や排気ファンをつけること、また、「換気機能付きエアコン」の導入を検討してもよいかもしれません。