換気が悪い密閉空間に近い店舗・クリニックでは、夏と冬には温度調整が難しくなるという問題があります。
店舗・クリニックのレイアウトや構造上、風が通りにくい場合や、ほぼ密閉空間になってしまっている場合、換気装置による換気だけでは十分ではないため、「開店前」「お客様が少ない時間帯」などに窓開け換気を行う場合があります(なお、こうした空間を「換気の悪い密閉空間」といいます)。
この方法自体は問題がありませんが、問題は夏や冬に換気を行うことで室温が大きく変化してしまうことです。換気を行うことで、二酸化炭素濃度を下げる効果がある反面、ビル管理法で定められた基準、すなわち夏であれば「温度28度、相対湿度70%以下」、冬であれば「温度18度、相対湿度40%以上」を保てなくなる場合があります。
厚生労働省は、夏と冬の換気をどう行うべきか対処すべきかの実用的なガイドラインを出しています。以下、要点を抜粋します。
- 夏
- 冷房の温度をできるだけ低くしたまま、2方向の窓を常時できるだけ開けて、連続的に室内に空気を通す
1方向しか窓がない場合は、ドアを開けるか、天井や壁の高い位置の窓を追加で開ける - 空気清浄機を併用する
- 冬
- 暖房器具を使用しながら、一方向の窓を常時開けて、連続的に換気を行う
- 窓を十分に開けられない場合は、空気清浄機を併用する
出典:
厚生労働省 熱中症予防に留意した「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法
厚生労働省 冬場における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法