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乳幼児がいる室内環境における注意点 - 換気の時間 | 換気の総合情報サイト

乳幼児がいる室内環境における注意点

この記事の目次

なぜ乳幼児がいる家庭の室内環境は重要か

0歳の新生児から5歳までの幼児を、ここでは「乳幼児」と呼びますが、「大人だけの室内環境」と比べて「乳幼児がいる室内環境」は特段の注意が必要です。では、なぜ特段の注意が必要なのでしょうか。

理由: 床に近く、ハウスダストなどを吸い込みアレルギー症状を起こしやすい

20歳の男性平均身長は171.7cm、女性は154.9cmとなります。

 

これに対して、0歳児はそもそも立てないので仰向けもしくは腹ばいになっています。一般的に立てるようになる1歳児の身長は76~78cm程度、5歳児でも108-109cm程度となります。

 

・出典 e-Stat 国民健康・栄養調査
 身長・体重の平均値及び標準偏差 – 年齢階級、身長・体重別、人数、平均値、標準偏差 – 男性・女性、1歳以上〔体重は妊婦除外〕
 https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003224177

 

このように乳幼児は、大人と比べて身長が低いため、床に近く、床から舞い上がるハウスダストやシックハウス物質を吸い込んでしまいがちです。

 

例えば、乳幼児に特に多く発生するアトピー性皮膚炎は、ハウスダストや花粉、ダニの死骸、カビ、ペットの毛などを吸引してしまうことが、発症の一因です。身長が低いため、ハウスダストなどを多く吸い込んでしまうことで、アトピーやぜんそくなどを発症しやすくなります。

 

もちろん、これだけがアトピーやぜんそくの原因ではありませんが、健康を阻害する要因をできるだけ室内から取り除くことが乳幼児の健康につながります。

乳幼児の室内環境で知っておくべき指針値(基準値)

有害物質の室内濃度に関する指針値(基準値)は用途ごとに複数作成されていますが、乳幼児に特化した指針値はありません。

 

ただ、こうした指針値は一般的に「実際に身体に害が発生する値よりも、はるかに低く値が設定」されています。

 

よって、乳幼児用であっても、一般的な指針値を参考にして問題ないでしょう。

 

指標値に関しては、こちらから確認いただけます。

 

・参考URL 安全な室内環境のための指針値
 https://kanki.atmosvisor.jp/indoor-environment/guideline-for-indoor-environment

乳幼児がいる室内環境の注意点

乳幼児がいる家庭では、以下の点に気をつけた室内環境づくりを行いましょう。

換気により有害物質を排出し、湿度を下げる

換気は、「室内の有害物質を屋外に出す」効果、「室内の湿度を下げる」効果、そして「室内の二酸化炭素濃度を低下させる」効果があります。

 

いずれも乳幼児の健康増進のためには有益ですので、「雨が降っており外の湿度が高い」「外の温度が非常に高い/低い」「花粉症の季節」以外は、できるだけ窓開けを含めた換気を行いましょう。

 

建物備え付けの24時間換気でも効果はありますが、短時間で大量の空気を入れ替えるには窓開けが最善の方法です。

 

加えて、湿度を低下させることで、呼吸器のアレルギー症状を引き起こすカビの増殖を防げます。

 

カビは基本的に、湿度が高い場所で繁殖しますので、湿度を下げることが特に効果的です。また、浴室など特に湿度が高い場所では、入浴後にファンを回すなどの換気を行いましょう。

床や寝具を掃除し、ハウスダストの舞い上がりを防ぐ

換気は室内環境の改善には有効な方法ですが、換気をすれば床のハウスダストなどが全てなくなるわけではありません。

 

床ふきや掃除機がけを行い、乳幼児が舞い上がったハウスダストを吸い込まないようにしましょう。

 

また、家具や手すりなどの、床以外でハウスダストが堆積しやすい場所も掃除することが望ましいです。

 

加えて、ふとんの掃除機がけも行うべきです。

 

東京都が2016年に行った調査によると、過半数の人が「3日に1度以上、居間の床を掃除機がけ」している反面、ふとんを掃除機がけする人は「月1回未満」が過半数と大きな差がありました。

 

・出典 東京都福祉保健局 「住居とアレルギー疾患」
 https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kankyo/kankyo_eisei/jukankyo/indoor/kenko/index.files/web_zenbun3.pdf

 

同じ調査によると、フローリング床に比べて寝具には5倍以上のダニが生息しています。ふとんを定期的に掃除機がけすることで、アレルギーの発症を予防できます。

屋内に花粉を入れない

スギやヒノキなどの花粉とハウスダストなどの汚染物質が原因で、花粉症は社会問題になっています。そして、花粉症は大人だけでなく乳幼児でも発症します。

 

花粉症の時期に窓開けを行うと、室内に大量の花粉が入ってきてしまい、大人も乳幼児も花粉症の症状が悪化する可能性が高まります。

 

よって、花粉症の時期は窓を開けない、または最小限だけ窓開けを行うことが望ましいです。

 

さらに、屋内に入る前に服や頭、マスクなどについた花粉を払う、床をこまめに掃除して花粉を取り除くことも大切です。

室内でたばこを吸わない

たばこには、ニコチン、タール、一酸化炭素などの有害物質が含まれ、たばこを吸う大人だけでなく、乳幼児も副流煙により被害を受けます。

 

さらに、たばこの火を消したあとに空間や壁紙、じゅうたんなどに残る有害物質を吸い込んでしまう「サードハンドスモーク(3次喫煙)」による乳幼児に対する害も指摘されています。

 

愛煙家の方は、たばこは屋外で吸いましょう。乳幼児がいる家庭のご家族は、これを機に禁煙にチャレンジしてもよいかもしれません。

新築時・引越し時はシックハウス物質に注意する

乳幼児がいる家庭で、家を新築する、リフォームする、または新しい住宅に引っ越す予定の方は要注意です。

 

乳幼児がシックハウス物質(ホルムアルデヒドなど)により、シックハウス症候群を発症する可能性があるためです。

 

シックハウス症候群は「誰でも発症するものではないこと」「どのような条件(濃度)で発症するかは個体差が大きい」のが特徴です。

 

例えば新築マンションを30分ほど内見しただけでも、症状が出る場合もあれば、「問題ないと思って入居したら、入居翌日に症状が出た」という場合もあります。また、全く症状が出ないこともあります。

 

よって、住宅の購入や転居という大きな意思決定が必要な事項にもかかわらず、家族がシックハウス症候群を出すか出さないかは、実際に入居してみないとわかりません。

 

もし、家族がシックハウス症候群を発症した場合は、「換気で症状を緩和する(根本解決はできない)」か、「転居する」しかありません。

 

これを防ぐには、建材や内装などにホルムアルデヒドなどのシックハウス物質ができるだけ用いられていないことを確認することが重要です。

 

また、建材や内装に加えてシックハウス症候群を引き起こす場合がある「家具」には、シックハウス対策のラベルが貼付され販売されています。こちらも合わせて確認しましょう。

 

・参考URL 大阪府シックハウス対策庁内連絡会議
 家具に表示されているラベルの解説 (31ページ目以後)
 https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/134/00041925/sickall.pdf